ツーショットダイヤル広告代理店の営業マン(45歳・東京都)にインタビュー

ツーショットダイヤル広告代理店の営業マン(45歳・東京都)にインタビュー

翔平さん(45歳・男性・東京都・営業)への取材インタビューです。

ひょんなことからツーショットダイヤル広告代理店の営業マンになった翔平さん。若い人のツーショットダイヤル離れが進む中、ツーショットダイヤルにしかない特殊な男女の恋愛事情を語ってくれました。

取材メモ
プロフィール 翔平さん(45歳・男性・東京都・営業)
ツーショットダイヤルの頻度 なし
時間帯 なし
主な相手 なし
よく使うサイト マックスグループ
道具 なし
やり方 主にメールによる営業先開拓
工夫した点 様々なジャンルの案件を総合的に提案する

ツーショットダイヤルの営業マンになった経緯

ヒロシ:はじめに、翔平さんがツーショットダイヤルの営業マンになった流れを教えてください。

翔平さん:元々、ツーショットダイヤル関連の仕事に詳しかった訳ではなく、いわゆるIT系、ウェブ系と呼ばれる界隈の会社に転職したのがきっかけです。制作や広告などの事業がある会社で、広告営業職として採用されました。

ヒロシ:なるほど。メディアも運営されている会社だったんですね。

翔平さん:はい。

ヒロシ:ツーショットダイヤル以外には、どのような案件を扱われていたのでしょうか。

翔平さん:出会い系サイトや、アダルトライブチャットの案件がメインでした。ほかにも、競馬や競輪などのギャンブル関連も少数ながら扱っていましたね。それらに関連した、自社のオウンドメディアも運営していたので、社員が交代で記事を書く業務もありました。

ヒロシ:ツーショットダイヤルの広告を掲載する先となるメディアは、どのように新規開拓されたのでしょうか。

翔平さん:主に、ネット検索で有力なサイトを探し、それぞれのサイトの管理人さんに直接連絡をとっていきます。個人で運営されている人も、法人運営のサイトもありますが、メール営業でも反応は良かったですよ。

ヒロシ:よいメディアは、すぐに見つかるものでしょうか。

翔平さん:基本的に、ツーショットダイヤルをやろうとしている人が、検索しそうなキーワードでググって、上位のサイトから狙って見ていきます。SEOで成功しているかどうかは、検索結果を見れば一目瞭然なので、上位のサイトの広告枠を獲得できれば、ある程度のボリュームを獲得できます。

ヒロシ:現在は、フリーランスとして個人で営業マンをされているそうですが、フリーになられたきっかけは何だったのでしょうか。

翔平さん:純粋に、出来高制ではなく固定給だったので、がんばっても給与に反映されない点に不満がありました。営業の仕事は、会社対会社というよりも、個人同士のお付き合いで成り立つ部分が大きいので、メディアさんとのお付き合いで築いた関係にも考慮して、出来高制でもらいたかったです。

ヒロシ:独立されて、収入面も満足できましたか?

翔平さん:はい。会社という組織から外れたので、営業成績がそのまま収入に繋がります。安定とはほど遠いですが、やればやっただけ反映されるのでやりがいはあります。

ツーショットダイヤルの現状

ヒロシ:ぶっちゃけ、ツーショットダイヤルの運営クライアント側も、メディア側もよくご存じかと思いますが、現状のツーショットダイヤル業界はどのような状態でしょうか。

翔平さん:正直、ツーショットダイヤルというアナログな番組は、縮小の一途を辿っています。新サイトが登場することはありませんし、たまに新しい案件が出てきても、既存サイトの別LPでしかありません。

ヒロシ:なるほど。ユーザーも運営者も、ツーショットダイヤル離れが進んでいるのですね。

翔平さん:はい。ユーザーのニーズで言えば、ビデオ通話アプリのようなライブ配信系が主流ですね。昔からアダルトライブチャットがありましたが、最近はApp StoreやGoogle Playにも公式で公開されている、ツーショットのビデオ通話アプリも雨後の筍のごとく増えています。

ヒロシ:実際、ツーショットダイヤルのコール数も減っているのでしょうか。

翔平さん:はい。とあるクライアントさんによると、全盛期の4分の1か、5分の1ほどと言っていました。但し、男女ともユーザーがいなくなった訳ではなく、一定の常連さんはいまだに根付いているそうです。

ヒロシ:ツーショットダイヤルは、昔からマニアが多いですよね。

翔平さん:はい。エッチな会話をしたいという抜きのニーズではなく、純粋に異性と話したい、話を聞いて欲しい、という会話相手募集のニーズが強いようです。

ヒロシ:実際のユーザーさん同士の会話を聞かれることもあるのでしょうか。

翔平さん:はい。クライアントさんから提供されたボイスを聞いてみたことがありますが、いわゆるテレフォンセックスのような卑猥なトークではなく、純粋な悩み相談のような会話が延々と続いていたことに驚きましたね。

ヒロシ:具体的には、どのような相談内容だったのでしょうか。

翔平さん:プライバシーの点から詳細は語れませんが、奥さんを亡くされた男性が、その寂しさを癒すために、夜な夜なツーショットダイヤルに通っている方でした。

ヒロシ:なるほど。人に相談できない心の寂しさのようなものの、受け皿になっている側面もあるんですね。

翔平さん:今、ツーショットダイヤルをやっている層は、エロよりもそういう目的が多いのかもしれません。

ツーショットダイヤル業界の今後について

ヒロシ:広告代理店という立場から見て、ツーショットダイヤル業界は今後どうなっていくと想像しますか?

翔平さん:正直、クライアントとして番組を運営していくのは厳しいと思います。そもそも、音声通話のアダルトサービスが、どのくらいニーズがあるのか不明です。今はビデオ通話の時代ですからね。

ヒロシ:クライアントさんが厳しくなると、そこから広告費が出ている広告代理店さんも厳しくなるのではないでしょうか。

翔平さん:はい。昔から、アダルトのライブチャット系を扱っていますし、最近はギャンブルや投資系の案件も扱って、セットでメディアさんに提案しています。ツーショットダイヤルのメインターゲットは男性なので、やはり男性に向いている案件があれば、効果も期待できます。

ヒロシ:メディアさん側も苦戦しているのでしょうか。

翔平さん:はい。クライアントだけでなく、メディアさんも苦労しているそうです。今は、SEOが難しくなっているので、昔のように簡単には検索順位が上がらないそうです。古いサイトを維持しても上がらず、新サイトを作っても上がらない、という八方ふさがりの状況らしいです。

ヒロシ:昨年あたりから、ツーショットダイヤル関連のキーワードで検索をかけると、アダルトサイトではなく一般のサイトが上位表示されるようになってきたかと思います。

翔平さん:はい。アルゴリズムが大きく変わったので、ツーショットダイヤルのようなビッグワードでアダルトサイトを上位表示させるのはさらに難しくなりましたね。

ヒロシ:そこには、やはり高額請求、架空請求のような社会問題もあるのでしょうか。

翔平さん:少なからずあるかと思いますが、私がお付き合いしている大手のクライアントさんは、詐欺のような請求はしていません。あくまでも、利用した分だけ請求しているのが普通だと思います。

ヒロシ:ツーショットダイヤルで遊んでいた女性層も、ライブ配信系に移行するのでしょうか。

翔平さん:今の若い女性は、個人でもライバーとして稼げる時代なので、どんどん配信へ行くと思います。但し、いわゆるテレフォンレディのように、一部の女性は電話にも残るはずです。

ヒロシ:ツーショットダイヤルは、今後どうなっていくと思いますか?

翔平さん:小規模な事業者は、正直、運営を続けていくのは厳しいと思います。そもそも、ユーザーが減っていますからね。但し、資金力がある会社さんは、アプリに移行して、男女ともにユーザーを囲い込んでいます。

ヒロシ:今後は、資金力勝負という感じでしょうか。

翔平さん:資金力は必要だと思います。ただ、ライブ系も女性が余っている状況なので、淘汰されていくと思います。アダルトのライバーをやっても、競争率が激しいので、それなりの容姿や行為を見せないと、視聴者数は増えませんからね。

編集後記

今回は、ツーショットダイヤル案件を扱っている、広告代理店の営業マンの方にお話を伺いました。

ツーショットダイヤルを運営しているクライアント、その広告を掲載しているメディア、さらに、その番組を利用する男女のユーザーを、それぞれの立場から見てきた翔平さん。

ツーショットダイヤルが衰退していく現状に寂しさをにじませていたのが印象的です。

但し、顔出しなしの音声通話で、男女が気兼ねなく会話を楽しめるというアナログな場は、今でも一定のニーズがあることも見えてきました。

ビデオ通話のエッチなライブ配信は、現在の通話系エロアプリの主流となりつつありますが、誰かに話を聞いて欲しい、誰でもいいから話したい、という男女の寂しさの、受け皿としての役割をツーショットダイヤルが担っているのかもしれません。

今後は、資金力のある会社を中心に、さらにライブ配信へと移行していくはずです。しかし、リアルタイム映像の配信が当たり前の時代になっても、音声通話の機能を残しつつ、アナログな古き良きツーショットダイヤル文化を残して欲しいものです。


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